お知らせ TOPICS
新学期前に整える、脳の土台 第3回|学びを支える集中力と鉄分のはなし

前回は、
脳は「脂」と「たんぱく質」からできている、というお話をしました。
では、その脳をしっかり働かせるために、
もうひとつ欠かせないものがあります。
それが、「鉄」です。
鉄というと、 「貧血のときに必要な栄養」というイメージが強いかもしれません。
でも実は、集中力や思考力にも深く関わっている栄養素なんです。
脳は“酸素”で動いている
脳は、体重の約2%ほどの重さしかありませんが、全身のエネルギーの約20%を使うといわれています。
そのエネルギーを生み出すために必要なのが、酸素です。
そして、その酸素を脳まで運んでいるのが「赤血球」。
鉄は、その赤血球の材料になります。
つまり、鉄が足りないと、脳に十分な酸素が届きにくくなることがあるのです。
鉄が不足すると、どんな変化が起きやすい?
鉄は、脳の中で“やる気”や“集中”に関わる物質をつくる材料でもあります。
脳に十分な酸素が届かなくなると、次のような症状がみられることがあります。
1.認知面(考える・覚える・集中する)

「なんとなく集中が続かない」
「話を聞いていても頭に入りにくい」
「覚えたはずのことが抜けやすい」
これは、脳の中での“情報の伝わり方”がスムーズにいきにくくなることがあるから。
やる気の問題だけではなく、栄養の影響が隠れていることもあるかもしれません。
2.精神面(気持ち・元気)

そして、もうひとつ見逃せないのが「気持ち」の面です。
「最近なんとなく元気がない」
「イライラしやすい」
鉄は、気持ちの安定にも関わる栄養素
不足すると、気分が落ち込みやすくなったり、無気力に見えたりする
といった状態につながることもあるといわれています。
つまり、体だけでなく、気持ちのエネルギーにも関係しているのです。
赤ちゃんの時期は、特に大切

赤ちゃんの脳は、生まれたときはまだ未完成。
3歳頃までに、ぐっと大きくなり、 1〜2歳では神経のつながりがどんどん広がっていきます。
歩けるようになる。
言葉が増える。
表情が豊かになる。
あの急成長の背景には、脳の中のネットワークづくりがあります。
鉄は、その“ネットワークづくり”を支える材料のひとつ。
もしこの時期に鉄不足が長く続くと、発達に影響が出る可能性があると報告されています。
もちろんすべての子に当てはまるわけではありませんが、
発達の土台づくりにおいて、鉄は大切にしたい栄養素のひとつです。
生後6か月はひとつの節目
赤ちゃんは、ママのおなかの中でもらった鉄のストックを持って生まれてきます。
でも、生後6か月頃になると、成長スピードが上がり、ストックが減るというタイミングが重なります。
ちょうどその頃、脳もどんどん発達していく時期。
だからこそ、離乳食が始まる生後6か月頃からは「鉄を意識したい時期」といわれています。
鉄は“脳に酸素と元気を届ける役目”

鉄は、
脳に酸素を運ぶ
情報のやりとりを支える
発達期の神経づくりを助ける
そんな働きをしています。
だからこそ、
「なんだかぼーっとしていることが増えた」「イライラすることが増えた」
そんな小さなサインが見えたとき、
生活リズムだけでなく、「鉄は足りているかな?」と食事を見直してみるのもひとつの視点です。
次回は「脳の回路を整える栄養素」について説明します。