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腸を育てるという新しい腸活 ~心と体の未来をつくる食物繊維~

最終回となる第4回では、なぜ食物繊維が今の健康だけでなく「未来の心と体」にも関わるのか、腸と脳のつながりに注目してお届けします。
腸は「第2の脳」

「腸は第2の脳」と呼ばれることを知っていますか?
私たちの腸と脳は、「腸脳相関(ちょうのうそうかん)」といって、双方向で影響し合う関係にあります。
脳 → 腸への影響
緊張したときにお腹が痛くなったり、ストレスで便秘や下痢になることがありますよね。 これは、脳で感じたストレスや不安が神経を通じて腸に伝わり、腸の動きや状態に影響を与えているからです。
腸 → 脳への影響
一方で、腸内環境が乱れることで脳の働きに影響が出ることもわかってきています。
心のバランスは「腸」が握っている?
腸内環境が乱れると、脳の働きにも影響が及ぶことがわかってきています。
たとえば、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の約90%は、腸でつくられていると言われています。
そのため、腸内環境が悪化すると、セロトニンの分泌バランスが崩れ、気分の落ち込みやストレスの感じやすさにつながることも。
一方で、腸内環境が整えば、セロトニンの分泌も安定しやすく、心の状態も落ち着きやすくなる。そんな仕組みが今、注目されています。
食物繊維は「腸を育てる」栄養素

第2回でもご紹介したように、発酵性食物繊維は善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える栄養素。 そのはたらきによって短鎖脂肪酸が生まれ、腸の粘膜を守ったり、炎症を抑えたりする効果が期待されます。
この「腸がよろこぶ環境」をキープし続けることこそ、メンタルや集中力といった日常の心の安定にもつながるのです。 つまり、食物繊維は「便通のため」だけでなく、 脳と心にやさしい腸を育てるための、未来への投資とも言えます。
「腸活」から「腸育」へ
これまでの「腸活」は、美容やデトックスといった今の体調を整えるための習慣として語られることが多くありました。 けれど、これからは「腸を育てていく」=「腸育」という視点が必要になってきます。
腸内細菌のバランスを整え、善玉菌が育ちやすい環境を維持していくことで、 将来的な生活習慣病やメンタルの不調を予防しやすくなると考えられています。
そのために欠かせないのが、日々の食事の中で「どんな食物繊維を摂るか?」という選択。 発酵性食物繊維を意識して摂ることは、腸内細菌を長く育てていくための土台となります。
未来の自分のために、腸に投資しよう

食物繊維は、体のための栄養素であると同時に、 心の安定や集中力、将来の病気予防にもつながる「心と体の健康習慣」です。
「腸を育てる」という考え方を持つことで、 今日の不調だけでなく、10年後の自分を支える準備がはじまります。
毎日の食事に、少しずつでも食物繊維を取り入れて。 心と体が整っていくのを、ぜひ感じてみてください。