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子供の味覚が危ない?便利な食生活の落とし穴

前回の記事で、子供の味覚形成が3歳から10歳までの間に大きく影響を受けることをご紹介しました。この大切な時期にどんな味に触れるかが、その後の好き嫌いや健康につながるというお話でしたね。
今回は、現代の食生活が子供の味覚にどのような影響を与えているのか、特にファストフードや清涼飲料水の過剰摂取がもたらす「味覚障害」のリスクに焦点を当ててお話しします。
味覚障害とは?
味覚障害とは、特定の味を感じにくくなったり、異常な味覚反応を起こしたりする状態を指します。子供の味覚が鈍ることで、偏食が進み、さらに健康に悪影響を及ぼす悪循環に陥る可能性があります。
特に以下の要因が味覚障害を引き起こすと言われています。
・塩分・糖分の摂りすぎ
・添加物や人工甘味料の影響
・食生活の偏り
なぜファストフードや清涼飲料水は危険なの?

現代の子供たちが大好きなファストフードや清涼飲料水。忙しい日常の中で便利な選択肢になりがちですが、これらが味覚に与える影響は深刻です。
・強い刺激ばかりだと自然な味がわからなくなる
ファストフードや清涼飲料水は味が濃く、舌に強い刺激を与えます。その結果、野菜や果物、だしなどの繊細な味を感じにくくなることがあります。
・糖分や塩分の過剰摂取が健康を損なう
世界保健機関(WHO)によると、子供の糖分摂取量は一日の総カロリーの10%以下が推奨されていますが、清涼飲料水を習慣的に飲むことでこの基準を大幅に超えるケースが多いです。例えば、1回の食事でファストフード(バーガー、ポテト)と清涼飲料水、デザートを摂取すると、塩分は約4.07g、糖分は約84gにもなります。これは、1日の推奨摂取量を簡単に上回る量で、子供の健康に大きな負担をかける可能性があります。
・依存性が形成される
強い甘さや塩気に慣れると、それ以外の食べ物では満足感を得にくくなり、ファストフードや清涼飲料水を好む悪循環が生まれます。
子供の味覚を守るために親ができること

1.自然な味に親しむ機会を増やす
家庭での食事に、新鮮な野菜や果物、だしを使った料理を取り入れてみましょう。
2.清涼飲料水の代わりに水やお茶を習慣に
カルシウムやミネラルが豊富な水やお茶を選ぶことで、糖分摂取を減らせます。
3.食べる楽しさを共有する
親子で料理をする時間を増やしたり、食べ物について話す機会を持ちましょう。子供は、自分が作った料理を食べることに喜びを感じやすくなります。
4.適度に自由を与える
完全にファストフードや清涼飲料水を禁止するのではなく、特別な日やお祝いのときにだけ楽しむルールを作りましょう。
豊かな味覚を育てよう
子供の味覚形成期にどんな食事を経験するかは、その後の健康や食生活に大きな影響を与えます。ファストフードや清涼飲料水に頼りすぎず、自然な味に親しむ習慣をつけることが大切です。
次回は、子供の味覚を育てる具体的な方法として「出汁」を活用した食育についてお話しします!